クラシック・ギター製作家インタビュー: ゲルハルト・J・オルディゲス (ドイツ)

クラシックギター製作家インタビュー_ゲルハルト_J_オルディゲス _ドイツ

今回のギター工房インタビューはドイツのゲルハルト・J・オルディゲスさんです。

 

Q1. あなたの工房とその歴史についてお聞かせください。

私の世代の多くの製作家の様に、1970年代中期にキッチン・テーブル作りを始めました。数年後、大学を終えた後、マスター・ワークショップの実習生になる機会を与えられました。全ての試験に合格し、ドイツのマスターとしての資格を獲得した後、伝統的なギターを専門とした工房を開きました。私は1988年のベルギーでの講習会でホセ・ロマニージョスに出会いました。その後、ある友人と共に彼の有名なトレスについての本をドイツ語に翻訳しました。ホセ・ロマニージョスと私は良き友人同士となりました。スペイン、コルドバでのいくつかの講習会の後、彼に講習会に参加する様に、その後のシグエンサでは助手になる様に頼まれました。これらの全ての事が私の伝統的なギターとその構造についての理解を深める助けになりました。

 

Q2. あなたにとって良い音のするギターとはどのようなものですか?またそれを獲得する為にどんな工夫をしているのですか?

私の意見では、良い音のするギターの見本は既に存在しており、長い間そのように作られてきました。何人かの名を挙げるとすれば、トレス、ハウザー、サントス・エルナンデス等のギター製作家です。これらの製作家は今日に至ってもその高い品質の理由がはっきりとしないギターを製作しました。それゆえにこれらの伝統的な技術を引き継ぐことが重要なのです。

 

Q3. 弾き易いギターを製作する事について考えをお聞かせください。そして、その為にどんな工夫をされていますか?

弾き易さは主に演奏者の技術と経験に依存します。私は良い音のするギターを提供することができますが、最後の段階は演奏家の要望に応じてなされるのが理想的です。

 

Q4. 伝統的なフレンチ・ポリッシュ(セラック・ニス)や新しい方法(ラッカー、触媒)などの仕上げの方法について、あなたの考えをお聞かせください。

フレンチ・ポリッシュは小さな工房で簡単にできる方法です。新しい方法は少なくともセミ・プロフェッショナルな設備といっそうの作業場を必要とします。ほとんどの新しい材料を使った作業はあまり健康的とは言えず、私はそれらを避けています。私の様に伝統的なギターを製作するには美的、そして音質的な理由によりフレンチ・ポリッシュを好みます。

 

Q5. 640, 628 や 615mm などのショート・スケール・ギターに於いて、弾き易さ、設計、音質や音量の観点から、あなたの考えを聞かせて下さい。また、手の小さい人や女性ギタリストの増加によってそれらショート・スケールの需要は伸びていますか? 

1970年代そして1980年代のスーパー・ロング・スケール以降、650mmがほとんどのギターリストとって弾き易い標準になりました。更に短いスケールを製作する事に問題はありません。ほとんどのモデルは一定の制限内で、あまり音質を損なう事なく、より長い、又は短いスケールで作る事が出来るでしょう。短いスケールに相応しい弦を探す事はもっと深刻な問題かも知れません。短いスケールで得た弾き易さを張りの強い弦を使う事によって失う可能性もあります。

 

Q6. 多くの読者がギターを色々と試奏していく内にますますどのギターが良いのか分からなくなってしまう様です。製作家の立場から、楽器店や工房でどのようにギターの音質や弾き易さをチェックしたら良いのか、アドバイスを頂けますか?

彼らは正しいです。それはとても混乱してしまいますね。しかしながら、ほぼ全員が新しい楽器の音について語る様に見えて、本当の最初の印象は楽器の弾き易さ(弦高、弦のテンション、調整、ペグの機能等)です。そして、いくつかの音を弾いた後、二次的な印象として、いくつか音についての側面について気がつくのです。演奏者が真剣に新しいギターの購入を検討しているとき、なぜ新しい楽器が欲しいのかについて理解するため前もって多くの宿題をこなさなければいけません。新しいギター又は代替ギターを普段に弾く曲を2倍の速度で弾く事によってチェックする事は、いつものギターの方が今試し弾きしたばかりのギターより遥かに良い、という結果を導くだけです。新しいギターの可能性や、それで何をすることが出来るのかを見極めるにはデリケートで、ゆっくりとしたアプローチが必要です。いくつかのギターは始めて弾いた瞬間から「おおっ!」という印象を与えるかも知れませんが、時にはそれ以上特に深い感銘を与えることが無い事もあります。一方で、他のギターは始めはあまり印象深くなく、もしくは中立的でも、しばらくすると演奏者が望む事を全てこなしてくれる結果になる事もあります。これは演奏者が何を求めるかによって判断すべき事です。

 

Q7. 顧客に対してアフター・サービスはありますか? 特に、高額なギターの購入について心配している人たちも多いと思われるのですが。

はい、(アフター・サービスは)あります。状況、楽器、顧客とその新しい楽器に対する責務によります。

 

Q8. ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)などの木材がますます入手困難になってきていますが、それはあなたのギター製作や完成したギターの品質にどのような影響があると思いますか?

幸運にも生涯にわたって使っていけるだけの在庫がありますが、その使用における注意を怠るといくつかのより貴重な材料は数年で底を尽きてしまうでしょう。

 

Q9. 21世紀に於いてギター製作というこの美しい伝統はどうあるとお考えですか?

それぞれ製作家達は彼らの最高のギターを作り、演奏家達は素晴らしい音のするギターを弾くことができる様に願っています。

ギャラリー: 

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