クラシック・ギター製作家インタビュー:リチャード・ニューマン(イギリス)

クラシックギター製作家インタビュー_リチャード_ニューマン_イギリス

今回のギター工房インタビューはイギリス、バークシャーのリチャード・ニューマンさんです。

 

Q1. あなたの工房とその歴史についてお聞かせください。

私は常に木工と深い繋がりがありました。私が12歳のときには木製のスパイス・ラック(調味料ラック)、椅子、テーブルなどを製作して同じ通りの隣人達に販売したりしていました。

学校を卒業した後、木のメインテナンスや伐採の仕事を得ました。自由時間にはいつもギターが私の膝元にありました。恐らく最終的にそれを自分で製作する事になったのは当然の成り行きだったと思いますが、まさかギター製作が私の職業になるとは予想もしていませんでした。 数本のギターを製作した後、ロンドン・ギルドホール大学の全日制ギター製作コースに入学する事を決意しました。

 

Q2. あなたにとって良い音のするギターとはどのようなものですか?またそれを獲得する為にどんな工夫をしているのですか?

良い音がするギターとはどんなものであるべきなのか、皆それぞれ異なる考えを持っています。どんな種類のギターを求めているかによって結果が変わるでしょう。私の場合、1994年のヴルフィン・リースケによるイサック・アルベニスの録音に心をとらえられました。この録音でリースケは1888年にアントニオ・デ・トレスによって製作されたギターを演奏しています。それは、私が自分の楽器に求めている古めかしく土臭く、深くて暗い特色をもっています。 長い間異なる力木の配置法を試してきましたが、結局伝統的な扇型の補強法に戻ってしまいました。この単純な構造の良いところは、もしそれが最適に配置された時、最も素晴らしく、複雑で純粋な結果を得る事が出来ます。

 

Q3. 弾き易いギターを製作する事について考えをお聞かせください。そして、その為にどんな工夫をされていますか?

弾き易さはネックの形状、弦高、正しく打たれたフレット、表面板のテンションによって向上する事が出来るしょう。更に重要な事は、演奏者が何を求め、その要望がどのように弾き易さや音質に影響するかという事です。

 

Q4. 伝統的なフレンチ・ポリッシュ(セラック・ニス)や新しい方法(ラッカー、触媒)などの仕上げの方法について、あなたの考えをお聞かせください。

私は伝統的な方法であるセラックを用いたフレンチ・ポリッシュを使った経験しかありません。新しい仕上げ法には全く興味がありませんし、今までのところセラック以外を希望する演奏家に巡り会った事もありません。

 

Q5. 640, 628 や 615mm などのショート・スケール・ギターに於いて、弾き易さ、設計、音質や音量の観点から、あなたの考えを聞かせて下さい。また、手の小さい人や女性ギタリストの増加によってそれらショート・スケールの需要は伸びていますか? 

いくつかの短いスケールのギターを作った事があります。最短は630mmです。 比例して小さくしたボディー、ブリッジの配置、表面板の厚み等はショート・スケール/小型・ギターを音量や音質を損なう事なく成功裏に製作する重要な点です。640mmのギターは現在とても人気が伸びており、多くの製作家がそれらを製作していますが、1〜12フレット間で標準サイズより5mm短いだけです。とても小さい手の持ち主には615mmが最適です。とても暖かく明確な音がするギターを何本か聞いた事がありますが、大きなギターの様な音を得る為には更に困難が伴うかも知れません。

 

Q6. 多くの読者がギターを色々と試奏していく内にますますどのギターが良いのか分からなくなってしまう様です。製作家の立場から、楽器店や工房でどのようにギターの音質や弾き易さをチェックしたら良いのか、アドバイスを頂けますか?

本当に多くの製作家達が上質なギターを作っている今ほどギターを購入するのに適した時代は今まで無かったかも知れません。 私が選択する立場でなく本当に良かったです。もし私なら「これが私の欲しいギターだ」と瞬時に知ることができる事を願うばかりです。

 

Q7. 顧客に対してアフター・サービスはありますか? 特に、高額なギターの購入について心配している人たちも多いと思われるのですが。

はい。製品の品質は完全に保証されています。また、顧客が掃除や気候に対する留意等、ギターの取り扱いについて完全に理解してもらえる様に努めています。

 

Q8. ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)などの木材がますます入手困難になってきていますが、それはあなたのギター製作や完成したギターの品質にどのような影響があると思いますか?

演奏家達は昔の様には泥沼にはまっているわけでは無い事に気がつきました。演奏家達はかつてより、伝統的なローズウッドに固執する事なく、製作家の木の選択を喜んで受け入れています。とても良い音のするギターを作るのに最適で、絶滅の危機に無い木は沢山あります。もしある材木が美しく、環境的にも安定していて豊富にあり、それで作られたギターの音が良いのであれば、何の問題も無いと思います。

ギャラリー: 

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